精神科訪問看護を始めて、まず嬉しかったことは、病棟勤務時代と違い、その利用者一人一人に30分~1時間向き合えて、利用者さんの主体性を尊重して関われることです。病棟時代は、管理業務に通常業務に忙しく、また要観察の患者さんへの関りがメインで、落ち着いている方の関りは非常に薄かったと思います。そして、忙しさから待たせることが非常に多く、お互いにストレスがかかる状況だったなぁと、今となっては思います。

ですので、今はまだ当ステーションのご利用者は少ないこともあり、ゆったりと訪問できていますが、時折、訪問以外に面談や他事業所との会議などで、忙しい時もあります。それでも訪問時間中はしっかり利用者さんにフィッシュ!哲学を意識し関わっています。

利用者や家族の困りごとを、利用者の家や施設に行くことで、インフォーマルな情報が得られます。周囲はどういう環境なのか、隣り近所の方はどうなのか、施設職員はどういう人か、スーパーは?など、その人固有の情報を得て、そこでどういう問題があるのか、どういう強みがあるのか、悩みや困りごととどんなに絡みあっているのか、どういう風に看護者がそれらを総合的に考え、その利用者ごとにカスタムして考えて、援助方法を利用者に提案し、一緒に考え行っていきます。そこが非常にやりがいがあると思いますし、訪問看護者の力量によって、大きく違いが出てくるところだと思います。月末、月初は、レセプト業務、報告書や看護計画の評価や次月の新規看護計画作成など、病棟とは違い、書類業務に忙しい時期もあります。決して、訪問看護は病棟より楽であるということではありません。

私、個人としては病棟勤務では夜勤を月に5~6回行っていて、かなり不規則な勤務と多忙な業務の中で、ワークライフバランスが乱れていました。訪問看護では、日勤業務なので、その不規則さはなくなります。そこは良い点だなぁと感じています。

それと、地域で仕事をしてみて精神科病院というものを見てみると、非常にありがたい、頼もしい存在なんだと感じました。それは何故かというと、病院では非常に医療介入が必要な重い方が多数入院します。やはり、そういう方は一生懸命頑張っても地域でみるには限界があります。そういった患者さんを、病院で勤務しているスタッフは、大変な思いをしながら、時には暴力を振るわれたり、暴言を受けつつも、一生懸命に対応方法を考え、医師は処方を検討し、医療活動を行っています。(この部分は、病院で働いていると当たり前のことで、そんなに凄いことをしているという認識はありませんでした)ですから、精神科病院で働いている医療従事者へは敬意を払いたいです。ただ、昨今、精神科での暴力や虐待事案が露見しています。精神科病院や病棟は、少し特殊で世間とはかけ離れ、そこで長く働く人たちの一部には、ちょっとこれはっていう人もいるのは事実です。そこは残念で仕方ないのですが、自浄作用が働く時代になっていただきたいなと思います。

話は少しそれてしまいましたが、精神科訪問看護は前述したように良いところ、大変なところ様々です。少し書ききれていないこともあるとは思いますが・・・。

ぜひ、興味のある方は、精神科訪問看護に飛び込んでもらえたらと思います。

また、当ステーションでも看護師、准看護師を募集しています。精神保健福祉士も募集しています。どうかよろしくお願いいたします。